桐たんすに込められた想いを大切に

ソファに改造

 桐たんす改造ソファの第2弾製作いたしました。今回はサンプルでなく注文品です!

 元は三つ重ねの三方桐のたんすでした。下二つは既に着物を入れて使われていたのですが、上台は使われずお婆様の思い出のあるものなので処分に困っていたそうです。そんな時縁あって当社を知り、ベンチソファに一目惚れされたそうです。

 作られた年代は戦後間もないころで、材はさほど厚くなく、作りも華奢でした。ベンチソファに改造するには人間の体重が箪笥にかかるので、しっかりした材と作りの箪笥でないと不可能だと当初は思っていました。しかし、お客様の強いご希望に応えるべく、一から構造を考え直すことにしました。
 さらに、初号機は座面が水平で、ベンチ的に腰掛ける形状であったのに対し今回は座面に傾斜をつけ、背もたれもより角度を付けてくつろいで座れるようなソファ形がいいというご希望でした。

 自分でも初号機はあくまでサンプルで、桐たんすの可能性を示したかったために、ベンチソファと成りましたが、やはり物足りなさもあり、いつかソファのようにゆったり座れる形にしたいなと思っていました。なのでありがたいことに今回はそれを実現できるチャンスとなりました。

 一から構造を設計し直し、箪笥には負荷をかけないように、且つ箪笥と椅子がマッチするように、箪笥がコアになるので寸法的な制約はあるものの、それでも最大限くつろげる形で美しいものを目指しました。

 出来ました。まだ改良の余地はありそうですが、まずまず満足な出来。強度的にも大丈夫です。箪笥が小さいので狭いですが二人座れます。この構造ならどんな華奢な箪笥でも、三ツ割の引き出しでなくても、上台だろうが下台だろうが、ソファに改造可能です。また一つ桐たんすの可能性が広がりました。
 今回もクッション部分は和裁士の妻に作ってもらいました。生地選びも一緒に行い、いい形になったと思います。

 自信を持ってお客様にお届けし、大変喜んでいただけました。いつものことながら手元に残らないのが寂しいですが、貴重なチャンスを与えてくださったお客様には感謝したします。ありがとうございました。
 
【寸法】 W:910 H:800(背もたれ) H:約400(座面前部) D:約610(mm)
【塗装】オイルステイン着色、オイルワックス仕上げ