桐たんすに込められた想いを大切に

一竿から3種類の家具に再生

 三つ重ねの箪笥が、三種類の異なる家具に生まれ変わりました。

上台は照明付きの飾り棚
中台は四つ脚のチェスト
下台はテレビボードに。

 とても年季の入った箪笥は、お客様のおばあちゃんの嫁入り道具で、ご自宅の改築に合わせての箪笥の再生でした。

 上台のガラス引戸の飾り棚、最大のポイントは照明のスイッチです。引出しの鍵飾りの“引き明け”をスイッチの座にしてみました。飾り棚なのでスイッチも見せられるようにと考えました。

 四つ脚のチェストは、本体はそのまま修理ですが、四つ脚をつけるだけで何とも軽やかな印象に。

 下台のテレビボードは、引出し上段を前蓋にしてデッキスペースに。前蓋を開くと中が蓋厚より少し高めに底上げしているのがポイントです。収納したデッキのDVDトレーなどが出てきても蓋に干渉しないようにとか、収納物を出し入れしやすいように配慮しました。
 底上げ部は引き出しの底板を再利用しているので材の向きが棚板と違います。材の向きが異なると湿気や乾燥によって材の伸び縮みの向きが違うからケンカして狂って下の引き出しや蓋に影響が出ます。なのでケンカしないように接着せずに継ぎ手で組んで納まっています。まったく見えない部分ですが、大事なポイントです。
 そして裏の配線収納もポイントです。これが有るのと無いのとでは使い勝手や、見た目が全く違います。おすすめです。

【サイズ】
飾り棚、TVボード W:905 H:495 D:420
チェスト W:905 H:800 D:420 ㎜
【塗装】
無着色
オイルフィニッシュ