桐たんすに込められた想いを大切に

レターケースに再生

 もとの箪笥は三つ重ねの桐箪笥で、お客様の亡くなったお母さまの嫁入り道具でした。衣装箪笥としては使わないが、形見として何かに再生して欲しいというご依頼でした。

 打ち合わせの末、A4の封筒も入る小引出しが4段、最上段は上開きの小物入れになるレターケースに再生することに決まりました。

 この取っ手は、元の箪笥の引き手を再利用しています。レターケースですからひとつの引き出しの高さは狭く、元の箪笥のようにぶら下がる丸カンとしては使えないし、レターケースならぶらカンは使いにくいと思い、丸カンをハンドルのように改造しようと思いつきました。材質は真鍮なので比較的簡単に加熱して曲げられました。端をまっすぐに伸ばし、雄ネジを切りました。たまの金属加工は新鮮で楽しいです。

 見慣れない形状で少し違和感ありますが、なるべく形見の箪笥として面影を残したかったのです。なぜなら箪笥の取手は一番手に触れる部分。使っていたお母さまが毎日触っていた部分ですから。

 申し訳ありません。製作にいきり過ぎてBeforeの写真を撮り忘れました…^^;


【寸法】
W:276 H:284 D:368 ㎜
【塗装】
オイルフィニッシュ