ご両親・ご実家の形見にと触れ親しんできた箪笥たちを再生し、ご兄弟三人で形見分けしたいというご依頼でした。
お預かりしたのは桐箪笥2竿と時代箪笥1竿、それにちゃんと魂抜きをしたお仏壇。
箪笥はお母さまの嫁入り箪笥だけではなく、その先代や先々代からあったのではというものでした。
形見分け一つ目は、隅金具のついた小袖箪笥とお仏壇の金具を利用して少しコンパクトなお仏壇を製作しました。
仏壇らしい折れ扉を開けて、スイッチを入れると照明が点きます。電球色のLEDに照らされた箪笥の古材はやわらかくも力強い、味わい深い表情を見せてくれました。
お仏壇に誂えられていた家紋のプレートをそのまま移植。扉の前飾は、お仏壇の前飾を。抽斗の取っ手と引き明けは、お母さまの形見の箪笥についていたもの。
家の印、仏壇の顔、母親の形見
それらが代々使われてきた箪笥にギュッと一つに集約されました。いつにも増して、とてつもなくストーリーのある再生でした。
こちらも心洗われ、気の引き締まる経験をしました。想像を上回る出来、と喜んでいただけて嬉しかったです。貴重な経験をありがとうございました!
形見分けの他の作品は↓
スツールに形見分け再生
デスク収納に形見分け再生
【サイズ】
W:615(閉じた状態) H:923 D:427 ㎜
【塗装】
無着色、オイルワックス仕上げ