お仏壇に形見分け再生に続き、ご両親・ご実家の形見にと触れ親しんできた箪笥たちを再生し、ご兄弟三人で形見分けしたいというご依頼でした。
こちらは収納付きのスツールに再生されました。元の箪笥の取っ手をそのまま生かし、引き出しの側の持ち手のくり抜きも、スツールになったときにちょうど真横で中央に来るように調整して作製しました。
悩ましい点は、昔の桐たんすはあまり厚い材を使って作られていないので、薄い(8㎜前後)材をどうしたらしっかりした構造になるかでした。
このスツールの側板の断面を良く見てもらうと三層になっています。縦横互い違いに材を積層することで薄く短い材でもしっかりした強度を持たせることが出来ます。
そして最も特徴的なのは座面の生地
これはお母さまの形見である着物の帯を再利用しています。帯をそのまま座面にするには幅が足りないので、和裁師の妻に幅を足してもらいました。柄をなるべく違和感が無いように繋げる技術には流石、お見逸れしました。アリガトウ!
再生されたスツールを見たお客様は、驚き、喜んで下さいました。こちらも形見分けのお手伝いが出来てとても嬉しかったです。ありがとうございました。
他の形見分け作品は↓
デスク収納に形見分け再生
お仏壇に形見分け再生
【寸法】
W:400 H:400 D:400 ㎜
【塗装】
無着色、オイルワックス仕上げ