桐たんすに込められた想いを大切に

テレビボードに改造

 今回のご依頼は、お客様の御宅が改築されるにあたり、ご自身の嫁入り道具としてあった桐たんすも再生してほしいというものでした。その箪笥はあまり使われておらず、改築にあたりお荷物になっていました。しかし思い入れから処分は考えられなく、再生というご英断に至りました。

 箪笥は約30年前のまだ比較的新しい時代の作りで、材はしっかり厚く、状態もきれいなので、どんな改造にも耐えうる箪笥でした。そこで、新しいお宅にどんな家具がほしいか、というご相談のなかで、TVボードにしようということになりました。お客様はそんなことできるの!?と終始驚いておられました。こちらとしては大変ありがたい反応でございますw

 改造内容としては、下台は引き出し3段あったものを1段分高さを下げ、上台は内小引き出し1つ分が生きるような幅に詰め、余った材料でTVボードの幅足しと、ソファサイドテーブルと、ベットサイドテーブルにするという盛り沢山な内容となりました。

 TVは薄型になったとは言え50型くらいになると30kgくらいの重量になります。お米一袋分の重さです。これは相当重たいです。なので、桐箪笥のみの強度では激しく天板が垂れ下がるので鉄のアングルをつけて補強しました。それでも数ミリ下がるのでTVを乗せた後の調整は必要です。
 さらに、二段の引き出しの上段はデッキスペースにしたいので引き出しにはせず、手前に開く開き戸にしました。閉じた状態ではリモコンが効かないので赤外線リピーターという受信機を内外に設置しました。
 金具は七宝透かしという高級な金物であったし、面影を残す意味で再利用しました。

 出来あがり、お宅に設置すると桐たんすの和と高級感の雰囲気は少し残りつつ新居ともマッチしているようで、お客様にも大変喜んでいただけました。ありがとうございました。
 
【寸法】 TVボード W:1750 H:450(サイドボードはH:1250) D:450(mm)
【塗装】オイルステイン着色、オイルワックス仕上げ