桐たんすに込められた想いを大切に

テレビ台と小袖整理箪笥

 背丈ほどの高さがあり、上まですべて引出しの総桐箪笥のアレンジ・改造です。

 ご実家に長く使われずに置かれていた、お母様の嫁入り道具の一つであったこの箪笥を、新居移転をきっかけに再生してほしいというご依頼でした。
 無垢七分の胴体に面落ちの意匠、蟻組の重ねなど、シンプルながらしっかりとした作りで、当時かなり高価であったと思われます。

 上台をテレビ台に改造。引き出し3段のうち上段を空間、中段を引き出しのまま、下段を足に加工しました。天板、棚板共にテレビやビデオデッキが乗るので補強も施してあります。
 中台、下台は小袖箪笥としてアレンジしました。面落ちの意匠をそのままに復元しました。平らに仕上げてしまう方がはるかに楽ですが、わずかな意匠の違いが仕上がりに大きく違いをもたらすので、面倒でもこだわるポイントであります。

 小袖箪笥は近々嫁ぐ娘様が嫁入り道具として北陸へ持っていくそうで、娘様にも気に入っていただけたようで安心いたしました。

【寸法】テレビ台;W:1060 H:465 D:410(㎜)
    小袖箪笥;W:1060 H:1280 D:410(㎜)
【塗装】オイルステイン着色、オイルワックス仕上げ