桐たんすに込められた想いを大切に

アンティーク調にアレンジ

 おそらく元は三つ重ねの昇り箪笥であったであろう、他は処分されて中台だけが残っていた、処分寸前の総桐箪笥でした。可哀そうなので譲っていただき、展示品として再生することにしました。

 状態は悪く、材料は薄く、いたるところが干割れしていて、金具もサビサビ。不幸中の幸いとしては腐れや虫食いがほとんど無かったこと。ゆがみもほぼ無し。裏板は総交換しました。割れ、傷、隙間を直し、四本足のチェストにアレンジしました。塗装もアンティーク調に着色し、オイルフィニッシュしました。古材のむら感が際立って個人的には大変気に入っています。金具もアンティーク調なものに取り換えました。

 こんな洋風チェストですが、桐箪笥特有の気密性はある程度確保されていて、一つの引出しを閉めるともう一方の引出しが少し出てきます。桐箪笥の可能性は無限にある気がします。
 
【寸法】W:900 H:800 D:410(mm)
【塗装】オイルステイン着色、オイルワックス仕上げ