桐たんすに込められた想いを大切に

クラベスの再生

 使い込まれて所々ひび割れたクラベス(楽器の拍子木)を文鎮に再生しました。

 お客様が長年愛用していたクラベスです。楽器としては使えなくなってしまいましたが、込められている想いから別の物に再生できないかとご相談を頂きました。

 文鎮はどうだろうかとアイデアを出したのはお客様でした。確かにこの木はおそらくローズウッドで重みのある硬い木です。その重みを利用すれば文鎮には成り得るなと思いました。なるほどです。

 割れてささくれのある箇所だけを削り取るように形を整えてみました。二本が異なるデザインになったのはかえって面白いです。

 木地を整え、ワックスを塗ると鮮やかなローズウッド独特の赤褐色が現れました。とてもきれいな色です。

 とてもシンプルな再生でしたがお客様もご満足されていたようで良かったです。いつも新しい発想をくれるお客様には感謝しきりです。ありがとうございました。

【塗装】オイルワックス仕上げ