桐たんすに込められた想いを大切に

茶棚と文机のアレンジ

 この茶棚と文机は、お客様のお母様の嫁入り道具でした。 お客様の幼少期にはお菓子箱として大変気に入って使っていたそうです。

 しかし時が経ち、所々壊れて使われなくなったので、お母様がこれらを処分しようとしたときに、お客様は想い出の家具だから直して再び使いたい。という想いで再生をご依頼されました。

 今回は桐でもなければタンスでもありませんでしたが、栓(セン)という広葉樹の無垢材で作られていたので、再生可能でした。

 状態の酷かった扉と引き出しの前板は新しいものに交換しました。 意匠的に矢羽根状の木目にして、引き手もアンティーク調のものを選んでみました。扉は蝶板金具を使わずに木軸の入ったものだったので、それも復元しました。 以前の和風な感じから、洋間でも合いそうな雰囲気になり、お客様にも大変気に入って頂けました。

 親子二代の想いが重なり、また新たに使われる。家具も喜んでいる気がします。素敵な機微をありがとうございました。
 
【寸法】
茶棚 W:500 H:650 D:300(mm)
文机 W:800 H:320 D:380(mm)
【塗装】オイルステイン着色、オイルワックス仕上げ