桐たんすに込められた想いを大切に

総桐3本セットから小箪笥3竿に

 お客様よりお引き取りしたのは、三つ重ねの昇箪笥と、下三の和箪笥、それに下二の洋服箪笥の婚礼三本セットでした。

 ご要望は、娘さん3人の嫁入り道具として再生してほしい。昇箪笥の中台と下台、和箪笥の下台の三点をそれぞれ単独で使えるようにしてほしい。さらに、それぞれの最上引出しを二つ割りに改造してほしいということでした。

 箪笥自体の状態は非常にキレイで材料も良く、まだ新しさも感じるほどでした。若干カビが生えていましたが、一通り削れば無くなる程度のものでした。金具もキレイでそのまま再利用です。

 今回、二つ割りへの改造は、ばらすことなく束を立て、引出しを割り、側板を組み入れます。手加工なので、仕上がった見た目以上に見えない部分に時間がかかっています。もっとも、何とも無かったように仕上げるのが再生の仕事なのです。

 その甲斐あり、お客様には大変喜んでいただけました。
今回のような母の想いが箪笥を通じて娘に伝わる。その一助を担えたことを大変感謝しています。
 
【寸法】W:1120 H:600 ~ 800 D:470(mm)
【塗装】トノコ仕上げ