桐たんすに込められた想いを大切に

民芸箪笥の復元

 彫り込み引き手の民芸箪笥の復元です。

 この箪笥はお客様のお母様の嫁入り道具でした。お母様の他界後、想い入れから処分できず処遇に悩まれていました。約50年ほど前のもので、材が厚く、金具も厚みのあるしっかりした総桐の箪笥でした。この度お客様宅の新築に伴い、綺麗に直してまた着物を入れる箪笥として使いたいということでご依頼を頂きました。

 作りはしっかりしていたのですが、虫食いが多く、引き出しの前板の五分の三は新材を貼りました。裏板の割れをガムテープで止めているケースは多くあるのですが、劣化してカリカリになっていれば削れるのですが絶妙にベタベタで粘着が生きている状態の跡を取り除くのは非常に苦労しましす。気持ちはわかりますができたら布テープじゃなくて養生テープくらいにして頂きますよう御願い致します(笑)

 こんなに綺麗になるのと驚き喜んでいただけて良かったです。お母様の想いとともにさらに長く使われ親しまれることを願っております。 
 
【寸法】 W:910 H:1185 D:420(mm)
【塗装】オイルステイン着色、オイルワックス仕上げ