桐たんすに込められた想いを大切に

間接照明のお仏壇に改造

 総桐の小袖箪笥が間接照明のあるお仏壇に改造されました。

 お客様はご実家の整理を進める中で代々ある仏壇の所存に困っていました。大きくて重厚な仏壇を今の住まいにそのまま持ってくるのはちょっと…ということで、同じく処分に困っていた桐箪笥から仏壇を造れないかというご依頼でした。お客様のご実家には歴代使用していた桐箪笥がたくさんありました。その中から仏壇に再生するのに適する桐たんすを選びました。おそらく最も古いもので材も厚く、どんな加工にも耐えられるだろうと二竿を選びました。

 再生後の仏壇は、お客様の御自宅の仏間のサイズに合わせます。そして、元々納まっていたご本尊やお位牌等も納めるということで、細かく採寸し設計しました。

 お客様のご要望を踏まえつつ、今回は照明を間接照明にしようと構想しました。木地を綺麗にまとめるのは当然ですが、LEDや配線をいかにきれいに納めるかを踏まえながらの構想は非常にやりがいがあります。

 完成を見たお客様はとても驚いていました。あの桐箪笥がこんなになるのかと。とても嬉しい反応を頂きました。後日、収納し使用している模様の写真を頂きました。間接照明がどのようにご本尊様たちを照らすのか楽しみにしておりました。桐のやわらかい白に反射し照らされたその姿には自分も感動してしまいました。

 桐箪笥もお仏壇も新たな生活の傍らに生まれ変わり置かれ、ご先祖様たちも喜んでいると良いなと願っております。

 また新たな挑戦の機会を頂いたお客様には感謝いたします。ありがとうございました。

【寸法】W:633 H:889 D:427 (mm)
【塗装】オイルステイン着色、オイルワックス仕上げ