総桐の洋服箪笥からテーブル、テレビ台、コーナーラックの3つの家具を作製しました。
元はお客様のお母様の嫁入り道具の一つでした。新居への移転をきっかけに家財を整理しているところ、他の整理箪笥などはそのまま使えるが、この洋服箪笥だけは場所もとるし、使い道がないという事で再生のご依頼をいただきました。
洋服箪笥の中はハンガーポールに吊り下げる仕様なのでがらんどうです。そして奥行きが約60センチと深くなっています。従って幅広で長く綺麗な板がとれるのでテーブルに改造するのに最適です。
折れ足金具を取り付ける部分だけは木ネジが効くように堅木で埋め木しました。とっても軽いテーブルになりました。
同じく天板を利用してコーナーラックを作製しました。こちらは100%箪笥の材を利用して作製したので柱は細く華奢ですが、コーナーに置かれれば安定しますし、飾り棚としては問題ありません。
下台の引出し部分は奥行きを詰めてTV台としました。天板を補強し、上段は前開きの蓋に改造。デッキ類を収納できます。
一つの箪笥が3種類の家具に生まれ変わり、新居で新たな役割を担います。その変貌ぶりにお客様は大変驚かれていました。お母様もそれらに触れるたびにもとは嫁入り箪笥だったなと当時を思い起こし、あつらえてくれたご両親へ想いを馳せる機会になれば幸いだと思います。箪笥に込められた様々な想いが失われること無くまた繋がっていくようで嬉しく思いました。貴重な経験をありがとうございました。
【寸法】
テーブル W:1180 H:335 D:575
テレビ台 W:1060 H:425 D:400
コーナーラック W:400 H:724 D:400(mm)
【塗装】
オイルステイン着色、オイルワックス仕上げ