桐たんすに込められた想いを大切に

北欧ビンテージ調チェストとソファ

 元の箪笥はお客様のお母様の形見の箪笥でした。ご実家の取り壊しの機会に形を変えてそばに置きたいとの思いで再生のご依頼をいただきました。

 ソファのクッション生地はお客様がご用意されたもので落ち着いた大人の雰囲気のソファとなりました。引き出しの取手はチェストに合わせて木製に。

 チェストの方は、元となった箪笥は「面落ち」という伝統的な桐たんすのデザインで、引き出しが本体の前面から面取り分引っ込んでいる意匠になります。
 この形は実に再生泣かせで、棚板が引っ込んでいるので綺麗に仕上げにくい箪笥なのです。多くの再生業者は面倒がって面を削って平らにしてしまうかもしれません。ですが、このほんの少しの意匠の違いだけで全く異なる表情となるので、決して横着することなく原型を大事に再生をします。当然その形に思いが込められているのですから。

 仕上がったチェストは今までの北欧ビンテージ調チェストとは異なる趣になりました。高級感が出たと思います。お客様も満足されたようでよかったです。ありがとうございました。

【寸法】ソファ W:940 H:800(背もたれ)400(座面) D:610 (mm)
    チェスト W:880 H:800 D:410 (mm)
【塗装】オイルステイン着色、オイルワックス仕上げ